倉田英之のコラム、「漫道」を再掲してみました

以前旧ブログで書き起こしていたのですが、タイミング的に今もう1度載せてみた方がいいかなと思い載せてみました。一部中略しておりますが、あまり影響ないところと判断しました。全文見たい方は携帯のとらのあなサイトにて。

前にも書いたが、僕は中学の時に部活で剣道をやっていた。
剣道とは、夏は暑苦しく、冬は寒く、防具は臭く、足の皮はすぐベロベロに剥けるし爪は剥がれるし、他のスポーツには応用は利かないし、とかなり過酷なスポーツだ。
(中略)
そんな風になんとなくなんとなく入った剣道部だったが、本とアニメとマンガと特撮以外の知識を持たなかった僕にとって、体育系のタテ社会はひどく衝撃的なものだった。
どうして生年月日が数ヶ月遅いだけで、これほど殴られるのか、蹴られるのか、罵られるのか。当時はまだ“部活だから”で納得するしかない年功序列な時代だったのだ(まあ、僕の場合は実力も無かったが)。
BAMBOO BLADE』を読むとその頃のことを思い出す。えてして剣道マンガはそのイメージからか、ストイックでマジメな昔気質のキャラが現代のサムライっぽくエー! とかオー! とか叫んでいるケースも多いが、本作のキャラはほどよくユルい。ケッコー増量気味にバカだ。女子剣道、という題材もなんだか新鮮だ。
既刊3冊*1を費やして描かれた各キャラは、まさに“部活”という舞台でいきいきと走り回っている。これはちょっと目新しい捉え方だと思う。
こんな時代に、『剣道マンガ』に挑戦するのは難儀なことだと思う。まずあの面を描くだけで大変だし、防具つけたらキャラの見分けはつかなくなるし、必殺ワザとか使ったら、また違うモノになるだろうし。
それでも『BAMBOO BLADE』は面白い。ほどよいユルさと、時折訪れる高揚感は「命のやり取りはしないけど、意地の張り合いじゃ負けられない」“剣道部”のノリそのままだ。
竹刀を握ったことがない人も読んでほしい。キレイに一本取られますから。

*1:当時